みどりは、何故かうちにだけせっせとねずみを届けた。
一度や二度ではない。何回も。
ビルには可愛がってくれている人が沢山いるのに、
4階のうちにだけ、いつの間にか運び置いていた。
みどりはうちの母親から軽く怒られていた。
ねずみからしてもたまったものではないが、
みどりは、とっておきを持ってきてくれたのだろう。
わたしへのお返しのつもりだったのか。
夏休みには、歩いて2分のラジオ体操の場所までいつもついてきた。
ラジオ体操が終わると、またビルまで一緒に帰っていた。
その時は、それが普通で何も思わなかったけど、
今考えたら、面白いというかなんと言うか。
引越ししてきた小学2年から5年くらいまで、
みどりは飽きずにわたしの相手をしてくれた。
本当の友達だった。
そういえば、みどりは気が強いのか、
メス猫なのに喧嘩っ早かった。
おでこによく傷をつくっていた。
犬にも果敢に挑むため、
みどりの毛が逆立ちだすと、わたしは直ぐに抱っこした。
わたしの腕の中で、ハリ金になって怒っていた。
でも、暴れることもなかったし、爪を立てることもなかった。
頭のいいネコだったと思う。
みどり沢山ありがとう。
みどりの思い出
