屋台風の店でご飯を食べた話(向こうの世界)

奥さんのひとりごと


…うとうとしていたら、いつの間にか昼寝をしていた。
向こうの世界でよく行く、市場のような所にご飯を食べに行っていた。
中華料理を出す屋台風の店。
厨房だけでいっぱいになる小さな店の側面には、
白い簡易的な丸テーブルと椅子のセットが3つ置いてある。
1つは、すでに三人組がワイワイとやっていた。
わたしは、侍(のような人)と二人で来ていた。
空いている席に座り、わたしが水を飲んでいる間に、
侍はテキパキと注文を済ませた。
ランダムに頼んでシェアして食べるのがお決まりのパターン。
最初の料理が出来上がるころ、お店の人が沢山取り皿を並べに来る。
そこから次々に料理が運ばれてくる。
だいぶん陽が傾き始めたので、頭上にあるライトを点けることにした。
今思えば、これを触ったのは初めてな気がする。
でも操作方法は分かっていたから、忘れているだけなのかもしれない。
大人の手くらいの丸い薄いライトに、手回しできる棒状のものがくっついている。
オルゴールのように回すと、ライトが点く。
回す回数で明るさが変わる。
色は、オレンジ色。
新しいメニューがあったので注文したよと侍が話していると、
店員さんが取り皿を並べ出した。
その後ろから、中華鍋を抱えた料理人が来て、皿にざーっざーっとよそった。
湯気に包まれた匂いが最高だ。
タケノコとエリンギの炒め物か?
これがさっき言っていた新メニューのようだ。
侍に聞くと、ホカラなのか、トカラなのか、
そんな料理名だと言っていたが、はっきり思い出せない。
味はシンプルなのになんか美味い!
タケノコ、エリンギの他にも、何か同じ大きさの白い食材が入っている様だった。
料理人が中華鍋を抱えてどんどん出来立てを運んでくれる。
このシステムなんかいいって思う。
臨場感あって、より美味しく感じる。

前にも書いたように、ここの世界では声は脳内に響いている。
音の時と、感覚の時とある。
もちろん、自分のも同じ。
それと、味覚も嗅覚も温度もしっかり感じる。
例えば、雨粒がポツポツと顔に当たる感覚なんかもリアルに感じる。