親戚のおじさん

奥さんのひとりごと


くだらないことを思い出したので書こうと思う。
小学生の頃の正月と言えば、親戚が大勢集まった家に行き、
せっせとお年玉を貰ったり、おせちを食べたりが定番だった。
その中で、時々だけど遊びに連れて行ってもらえることがあった。
わたしが3年生の頃だったか、みんなでボーリング場に行くことになった。
多分初めてだったと思う。楽しいとかより、
うるさいと思った記憶が残っている。
まぁ、それ以上に強烈な出来事があった。
正月のボーリング場は大盛況だった。
真ん中辺りのレーンに案内されながら、
背中合わせにある小さなゲームセンターも気になっていた。
色々な音がとにかくうるさい。おのずとしゃべり声もでかくなっている。
何回か投げさせてもらったが、わたしはすぐに飽きていた。
大人は異様に盛り上がっている。
何だかなぁっと思っているところに、親戚のおじさんが、
ジュースを買いに行こうと声をかけてくれた。
ゲームセンターに紙コップの自販機があった。
わたしは炭酸のジュースにして、おじさんはコーヒーだった。
ゲームとボーリングの騒音に挟まれながら飲んでいた。
おじさんは、母親の弟。周りの話じゃ、かなり悪かったらしい。
どこかで写真が出てきて見たことがあった。
いつかの鶴瓶くらいのアフロで、キンキラだった。
わたしはいつか聞こうと思っていた疑問をぶつけてみた。
「不良だったの?不良って何するの?」
おじさんは、何て??って顔をして、耳を近づけてきた。
もう一度質問すると、ひとしきり大笑いしてコーヒーを一口飲んだ。
そこから、わたしとおじさんの耳打ちの会話が続く。
ねこ「不良の時何して遊んでたの?」
おじ「くだらないことして遊んでたよ」
ねこ「教えて」
おじ「何で知りたいの(笑)面白くないよ」
ねこ「教えて」
おじ「いやぁ…何もないよ」
全然教えてくれない様子だったから、余計に好奇心が出た。
しつこいわたしに困ってか、おじさんはコーヒーを一気飲みした。
そして、おもむろに飲み干した空のカップを床に置いた。
??
おじさんは思いっきりカップを踏んづけた!
瞬間、物凄い音が鳴った!
まるで発砲事…
いや、問題があるので”雷”に訂正しておく。
ボーリング場はシーーンと静まり返り、
ゲームセンターのやる気のない音だけが響いている。
たまらずおじさんを見ると、笑いながら、
「こんなことしてたよ」
じゃねえよ!全員こっち見てるし!お母さんに怒られるし。
聞かなきゃよかった~。
耳の奥のほうでやまびこのようにキ~~ンと鳴っている。

とにかく、おじさんがやんちゃだったことは確定した。
くだらないことをしてたのも分かった。